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空き家対策の種類と方法
空き家を放置することで生じる問題
空き家は放置しておくと、様々な問題が発生します。では、どのような問題が発生するのでしょうか?
①周囲への悪影響
- 空き家を放置すると、劣化が進行し、倒壊の危険性が増加したり、屋根材などが飛散したりと、その影響の範囲は敷地内だけにとどまらなくなっていきます。また物的損害だけでなく、人的被害の危険性も高まります。
- 庭木や雑草が道路や隣地まで越境する、ハチや犬猫などによる被害のおそれがある、臭いがひどい、周辺の景観を損ねる等、周辺とのトラブルの原因が数多く考えられます。
- 失火や不審火、不審者の侵入、不法占拠など治安面でのリスクが高まります。
②資産価値の低下
- 家は住む人がいなくなれば、換気や修繕が行われず急速に老朽化が進みます。そうなると資産価値が大幅に下がるため、売却しようとしても安価になってしまったり、最終的には売却できず解体するしか方法がなくなることもあります。
- 老朽化して荒れた空き家があると周辺地域の発展も妨げられます。荒廃した空き家の周囲に住もうと考える人は少ないからです。一つの空き家が原因で、地域全体の価値が損なわれる可能性があるのです。
③税金の問題
- 不動産を所有していると「固定資産税」と地域によっては「都市計画税」が課税となります。この固定資産税・都市計画税は、住宅が建っていると「住宅用地の特例」という制度が適用され、大幅に減額されます。しかし、平成27年5月からは、「空家等対策の推進に関する特別措置法」の規定に基づく勧告の対象となった「特定空家等」に係る土地を、住宅用地の特例の対象から除外されることとなりました。そして老朽化して危険な状態となった空き家を放置しておくと、この除外の対象となる可能性が高いのです。
空き家対策の種類について
空き家対策には幾つか種類がありますが、大きく分類すると
- 売却(賃貸)する
- 除却(解体・撤去・整地を含む)する
- 改修して活用(店舗・カフェなど)する
の3種類になります。(3)はどのように活用するかにより、その方法も様々ですが(1)(2)については、一般的には下記のような流れで実施します。
空き家を売却(賃貸)する
一般的な流れ
①今後の家族構成の変化や空き家を維持管理していく場合の経済的負担等を考慮し、売却(賃貸)の可能性を検討しましょう。
②不動産会社の情報を収集し、仲介を依頼する不動産会社を選定します。
③物件価格を専門家の目で査定してもらいます。
査定価格はその後の売り出し(賃貸)価格の参考となります。
④不動産会社に仲介を依頼(正式に依頼する場合は、媒介契約を結びます。)し、不動産を売り出(賃貸)します。
⑤購入希望者が現れたら、物件情報を開示し、売却(賃貸)条件などを交渉します。
⑥売買(賃貸)条件に合意したら、買主(借主)と契約を結びます。
○特徴
良い点 | 注意すべき点 | |
---|---|---|
売却する | ・解体費用が掛からない ・一時的収入が見込める |
・買い手がつくまで管理が必要 ・高く売れるとは限らない |
賃貸する | ・家を所有したままでいられる ・いずれまた住むことができる ・継続的収入が見込める ・生活する人がいるため、住宅の機能を維持できる |
・入居可能な修繕が必要な場合がある ・入居者とのトラブルの可能性がある ・入居者がいないと収入がない |
②空き家を除却する
一般的な流れ
①工事の前に家財道具等を御自身で分別し、不要なものは事前に処分します。
(必要に応じて業者にお願いします)
②解体業者について情報収集し、業者を選定します。
③現地を調査してもらい、費用の見積を行います。
④工事の実施前に近隣住民に説明と挨拶を行っておきましょう。
⑤費用と内容について合意したら、契約を結び、工事を行います。
⑥工事完了後は現地確認と、確認後の手続き(建物滅失登記)を行います。
(工事完了後の空き地の管理・処分の方法もあらかじめ決めておきましょう。)
特徴
良い点 | 注意すべき点 | |
---|---|---|
除却する | ・空き家の管理が不要になる。 ・土地の有効活用が期待できる。 |
・除却費用が発生する。 ・固定資産税が高くなる。 ・家財道具は種類によって処分方法が異なる。 (仏壇→供養処分、家電→リサイクル処分 等) |
トピックス
空き家の売買を検討する際に重要な要素に「耐震基準」があります。建築基準法の耐震基準は1981年(昭和56年)6月に大幅な見直しがなされており、一般的にこれ以降の基準は「新耐震基準」、1981年(昭和56年)5月までの基準は「旧耐震基準」と呼ばれています。旧耐震基準では震度5程度の揺れに耐える住宅の強度が求められていましたが、新耐震基準では、震度6~7の地震でも建物が倒壊しないように定められています。旧耐震基準の時に建設された住宅であっても、その後、耐震診断、耐震改修を行い、耐震性を確保している場合もありますので、一概には言えませんが、空き家売買の判断の一つの目安になります。