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令和5年度香川県空き家再生コンテストの審査結果について

更新日:2024.02.14
お知らせ

令和5年7月3日から9月29日に募集を行った「令和5年度香川県空き家再生コンテスト」について、審査の結果、最優秀賞1点、優秀賞3点(順不同)が選出されました。

最優秀賞

明治時代に建てられた醤油蔵などを宿泊施設併設カフェへ

優秀賞

大正元年頃の住宅をカフェ兼事務所へ

優秀賞

昭和53年頃の住宅を事務所兼レンタルスペースへ

優秀賞

江戸時代の住宅を一棟貸しの宿泊施設へ再生へ

 

最優秀賞 (がもう家)

明治時代に建てられた醤油蔵などを宿泊施設併設カフェへ

改修後                   改修前

 

改修後                   改修前

 

改修後                     改修前

 

物件Data

設計者・施工者 大企建設 株式会社
所在地 坂出市
敷地面積 1400㎡
母屋:床面積 245.808㎡
蔵:2階床面積 55.98㎡
蔵:2階床面積 55.98㎡
工事費用

約2,200万円

改修後の用途 カフェ・宿泊施設

特徴

 県外からの観光客も訪れる、有名なうどん店の近くに立地する特性を活かし、「うどんを食べたあとのコーヒータイム」をコンセプトに、旧醤油醸造所にあった住宅と蔵を、カフェ兼宿泊施設として再生した。
 住宅部分は、大きく間取りを変更せず、天井は天井材を設けず、大梁が見える部屋をカフェとし、ゆっくりくつろげるように工夫している。
 約150年前からある蔵は、1階は、リビング、洗面・トイレ・浴室とし、2階は就寝スペースとして、落ち着きのある、リラックスできる場所に仕立てられている。
 蔵にあった糸巻き器を再利用し、和紙を貼り付けて照明器具として使ったり、蔵の扉を忍者扉として、回転扉にするなど、趣のある雰囲気を出すよう工夫しており、遊び心もある。
 宿泊者への食事等の提供は、地元産や県内産の食材をふんだんに利用するよう努めており、昔ながらのかまどでの調理は、客席からも見ることができるため好評である。
 また、台湾、フランスなど海外からの観光客も来店するとのことである。

改修前

改修後

審査員コメント
 住宅と蔵を、観光客を呼び込む、カフェ兼宿泊施設とした好事例である。
 改修箇所を限定することで、費用を抑えながら、かまどや忍者扉など、訪れた人が楽しんでもらえる工夫を行っている面も評価できる。
 また、県外からの観光客も訪れる、有名なうどん店の近くに立地する特性を活かすことをコンセプトに、利用者のニーズを把握したリノベーションや、地域活性化への貢献度が高いことなどを評価した。

 

優秀賞 (旧南原邸)

大正元年頃の住宅をカフェ兼事務所へ

改修後                   改修前

 

改修後                   改修前

 

改修後                     改修前

 

物件Data

設計者・施工者

設計者:一級建築士設計事務所 室内楽

施工者:株式会社 佐伯工務店

所在地 高松市
敷地面積 1325.90㎡
1階床面積 200.96㎡
2階床面積 51.68㎡
工事費用

約5,000万円(国の補助金を含む)

(離れ(宿泊施設)、蔵(ギャラリー)、外トイレ、土塀の工事費も含む)

改修後の用途 カフェ・事務所

特徴

 附近は閑静な住宅街で、五色台を望む、緑豊かで景色も良好な場所に立地している。
 本物件は、大正元年頃の庄屋の屋敷を、カフェ兼事務所として再生しており、令和5年8月には、登録有形文化財に認定されている。また、広い敷地には、広い母屋を中心に、長屋門や蔵を再生した宿泊施設などもある。
 母屋は、元は台所であった場所を、カフェの客室にリフォームするほか、玄関に隣接した部屋を通し土間として書籍を閲覧できるようにするなど、随所に細やかな工夫がみられる。
 カフェの店員等には、地元にお住いの方等を雇用しながら、地元産や県内産の食材を利用した食事の提供に努めており、SNSでの発信により、県内外から多くの利用客が訪れている。

改修前

改修後

審査員コメント
 大規模な建築物を活用する際に参考とすることができる好事例である。歴史的価値のある登録有形文化財であることや地域と連携して地元の食材を提供している点も評価できる。
 リフォームに要した工事費用が高額な点は残念であった。

 

優秀賞 (福栄不動産事務所)

昭和53年頃の住宅を事務所兼レンタルスペースへ

改修後                   改修前

 

改修後                   改修前

 

改修後                     改修前

 

物件Data

設計者・施工者 株式会社 カガワ設計
所在地 東かがわ市
敷地面積 213.61㎡
1階床面積 84.95㎡
2階床面積 40.61㎡
工事費用 約550万円
改修後の用途

事務所・レンタルスペース

特徴

 近くには閉校となった小学校がある閑静な住宅街で、普段は人の往来も少ない場所に立地している。
 本物件は、昭和53年頃に建築された木造2階建ての住宅で、令和5年に不動産屋の事務所兼レンタルスペースとして再生した。
 キッチン・トイレなどの水回り、駐車場の土間、床や天井などの構造に関わる部分のリフォームは業者に依頼しているが、壁や床の塗装などはセルフリフォームしており、リフォームの過程をSNSで発信している。
 レンタルスペースは、ワークショップの開催をはじめ、交流を求める地域住民や移住者が利用できる場として提供している。

改修前

改修後

審査員コメント
 一般的な住宅を別の用途として再生した好事例である。
 改修した空き家の一部を、テレワークなどに利用できるレンタルスペースとして提供している工夫や、不必要な段差やふすまを除くなど、広く一体的に利用できる、利便性のある豊かな空間の創造も評価できる。

 

優秀賞 (旧山口邸)

江戸時代の住宅を一棟貸しの宿泊施設へ再生へ

改修後                   改修前

 

改修後                   改修前

 

改修後                     改修前

 

物件Data

設計者・施工者

株式会社 山倉建設

所在地 丸亀市
敷地面積 417.906㎡
床面積 123㎡
工事費用

約800万円

(丸亀市の補助金を含む)

改修後の用途 宿泊施設

特徴

 丸亀市沖、塩飽諸島にある広島の田園地帯に立地しており、隣は、日本遺産にも認定され、令和3年度空き家再生コンテストでも最優秀作品となった旧尾上邸がある。
 本物件は、江戸時代(天保5年頃)の木造1階建ての住宅を、観光客等を呼び込む一棟貸の宿泊施設として再生した。
 再生前は、30年間ほど空き家の状態であったため、雨漏りがひどく野地板も腐食しており、屋根や内装の全般を改修する必要があったとのことで、丸亀市の補助金を活用するとともに、一部を地域の住民と協力してセルフリフォームすることで予算を圧縮している。

改修前

改修後

審査員コメント
 離島にある空き家を、宿泊施設として地域のために活用した事例である。江戸時代からある住宅を、地域の住民と協力し、セルフリフォームを多用して費用を抑えながら保全している面も評価できる。
 一部屋根瓦がずれているなど、手つかずの状態の箇所がある点は残念であった。

 

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